小河悦司さんの漫画、中華一番、第一話「菊下楼を救え!!」に出てくる大豆肉の麻婆豆腐を作りました。
中華一番も僕の大好きな料理漫画です。どの料理も凄く美味しそうで、食べてみたいな~と夢を膨らませていました。ただ、中華一番はややファンタジーの感があり、「これ実際には作ったことないよね?」と思ってしまう料理が多めです。
そんな中、大豆肉の麻婆豆腐は実現可能そうなので挑戦してみました。初回なので、できるだけ漫画に忠実に再現してみました。

乾燥大豆100gを水で戻します。

先ずは水煮します。最初から塩分を入れると食材がしまってしまい、軟らかくならないことがあるからです。
次いで中華スープの素を入れて更に煮ます。水面に浮かんでいるのは創味シャンタンです。

暫く煮て、煮詰めた後、テフロンパンに移し、液が完全になくなるまで煮詰めました。このまま食べても美味しいです。

包丁の腹で潰した後、みじん切りにしました。包丁の腹で潰す際は手を切らないように注意が必要です。
潰したことで半分ペースト状になってしまいました。ちょっとイメージしてたのと違います。

醤油、酒、豆豉(トウチ)で煮て味付けします。
煮込み液がクリーミーです。本当にこれでいいのかな?
豆豉はコロコロした粒なので、使う前にはみじん切りにする必要があります。これが面倒なので、僕は日本酒に豆豉を入れ、バーミックスで粉砕して緩い液状にしています。すぐに使えて便利です。

液がなくなるまで煮詰めました。

油を注ぎ揚げていきます。

弱火でじっくり揚げます。温度計を挿入したら110~120℃くらいでした。水分があるうちは温度が上がりません。焦げて苦くなってしまうのを恐れ、120℃くらいで目の細かい網を使って掬い出しました。

油から出した直後です。
まず、油が凄いです、粒が細かいので、粒子間に油が残ってしまいます。
このまま食べてみたら食感がシナシナで、期待していたサクサクの食感がありませんでした。失敗?!
とりあえず、油を何とかしなければと思い、テフロンパンで煎り、油の粘度を下げ、傾けて油をきりました。

キッチンペーパーにとりました。見た目はひき肉にそっくりです。
冷えたらサクサクの食感が現れました!しかし風味はまさに大豆です。2月の節分に食べる煎り豆の風味です。これは肉と間違えないよ・・・。
中華スープの素による肉の旨味と、醤の旨味があり、意外とこれはこれで美味しいです。ご飯のふりかけにしたら良さそうです。

麻婆豆腐を作ります。豆腐は絹ごしを使います。
まずは豆腐を塩茹でします。軽く茹でたら引き揚げます。この工程を踏むことで豆腐のアクが抜けますし、軟らかくもなります。

ニンニク、ショウガ、豆板醤、日本の味噌、甜面醤、唐辛子を油で炒め、風味を引き出します。
お湯、中華スープの素、豆豉、酒を入れてベースのスープにします。
豆腐を入れ、少し煮て味を含ませます。
片栗粉でとろみをつけ、長ネギを入れて混ぜ、ゴマ油を垂らします。長ネギは余熱で火を通すくらいで十分です。

器に盛り、上に大豆肉を盛り、山椒を振ったら完成です。大豆肉は水に触れるとあっという間にふやけてしまうと思ったので、混ぜませんでした。
お味は・・・。麻婆豆腐としては普通に美味しいですが、肝心の大豆肉に存在感がないです・・・。
そもそもベーススープと大豆肉の味付けがほぼ同じですし、ベーススープの強い味と山椒の強烈な香りに大豆肉の存在がかき消されています。そしてやはり水分でふやけてしまう感もあります。
そして問題なのが、栄養バランスが悪いこと。大豆肉、豆腐、醤、これら全て元は豆です。この麻婆豆腐を食べても豆を食べたことにしかなりません。普通のひき肉の麻婆豆腐の方が栄養バランスが良いです。この点から、この大豆肉の麻婆豆腐は主流にはなり得ません。
大豆肉を作るのにやたら手間がかかるのも問題です。
大豆肉について否定的な感想が多かったですが、もし作中のようなサクサク食感をちゃんと実現できれば美味しそうだなぁとは思います。また肉が入っていないので、確かに身体へのインパクトは軽かったです。
実際に作ってみて、もっとこうやった方がうまくできるかも、という点が幾つかあったので、近いうちに再挑戦しようと思っています。