洋食屋で食べた欧風カレーを目指してまた挑戦します。
欧風カレーのレシピをネットで調べてみたら、良さそうなレシピが幾つかありました。それらは色んな材料を使っていて、「どうやってこんなの思いついたんだろう?」と思いました。しかしながら、あるときふと「あ、なんだ要はデミグラスソースを作っているんだな。」と理解できました。その考えに基づいて再挑戦してみます。
デミグラスソースの作り方は「特選、男の料理」さんのHPを参考にしました。この方はメチャクチャ本格的で凄いです。勉強になります。

黒毛和牛のすじ肉891gです。すじ肉は要は余りものなので、常に店にあるとは限りません。黒毛和牛のはなおさらです。黒毛和牛のすじ肉をコツコツと買いため冷凍しながら集めました。先ずはこれをこんがり焼いてメイラードさせます。

こんがり焼けました。脂が沢山出ました。

すじ肉を脂ごと鍋に移しコントレックス(硬水)を1.5L注ぎ2時間以上煮込みました。脂が大量に浮いたので掬いとりました。
一般的に肉を煮込むには硬水が良いとされています。以前に試してみたところ、硬水は肉のアクを浮き上がらせてくれたり、骨臭さを抑えてくれるように感じました。獣骨を煮込むには硬水が良いと思います。しかしながら今回のようなアクのあまり出ない良質の肉であれば普通の水道水で問題なかったのではないかと思います。
すじ肉は2時間程煮込むとプルプルに柔らかくります。そうなったら掬い出して細かく刻みます。

ちょっと良いめの国産牛の角切り肉600gをこんがり焼きました。これをすじ肉のスープで煮込みます。今回は30分間煮込みましたがまだちょっと固かったです。次回は1時間煮込もうと思います。

カレーソースを作っていきます。先ずはスパイスをテンパリングします。今回使ったスパイスは、「唐辛子、にんにく、しょうが、シナモン、グリーンカルダモン、ブラウンカルダモン(初!)、クミン、マスタードシード、コリアンダー、ターメリック、黒胡椒」です。左右に2つ見えるやや大きい黒い粒がブラウンカルダモンです。

実家から貰った巨大新玉ねぎ2個分です。重量では約1.5kgです。これをスパイス油に加え、塩を少しして飴色に炒めあげます。

飴玉ができました。

小ぶりの生トマト5個を刻んで投入します。

トマトを煮溶かし、しっかりと濃縮しました。

赤ワイン(アルパカ、メルロー)500ccを注ぎました。

赤ワインを煮詰め、しっかりと濃縮しました。とても良い色合いになりました。あの洋食屋のカレーはまさにこんな色をしていました。ここに肉とスープを注げば目標としていた洋食屋のカレーになったと思います。
しかしながら、今回はここから更に手を加えてしまいました。

脇役野菜(セロリ、ニンジン、茄子、リンゴ)です。茄子以外はデミグラスソースに使われています。脇役野菜には栄養バランスを向上させ、味わいを豊かにする効果があります。スライスして塩をして炒め、嵩減らしをするとともに青臭さを飛ばします。

炒めあがりました。

寸胴に主役の玉ねぎペースト、脇役野菜、牛スープを加え、バーミックスで粉砕します。塩を適量加え調味しました。これはこれで美味しかったのですが、主役の玉ねぎペーストにあったあの深い色合いとエッジの効いた味が消えてしまいました・・・。
ここへ細かく刻んだすじ肉と、煮込んだ角切り肉を加えました。これで完成としても良かったのですが、勉強のためもう1手間加えることにしました。

バターと小麦粉でブラウンルーを作ります。ブラウンルーの役割はソースにとろみをつけることと、香ばしさを加えることだと理解しています。

ブラウンルーを作るのは初めてだったので、どの位まで色付けしてよいかよくわかりませんでした。もう少し薄い色合いで止めた方が良かったかもしれません。
ブラウンルーを寸胴に加え、味を丸くしてまとめるために牛乳を少々加えて完成としました。

さて、ではいただきますか。ご飯に添えてあるのは実家から貰った生姜の甘酢漬けです。デザートはふるさと納税で貰った夕張メロンです。
カレーは牛の香りが強かったです。牛すじを大量に入れたからなぁ。牛の香りがわーっときて、その後色々なスパイスの香りが次々とやってきます。沢山入れた脇役野菜が味に円やかさと厚みを与えています。ブラウンカルダモンはその他スパイスや食材の風味に紛れてよくわからなかったです。
美味しい、でもちょっと牛臭いな。美味しい、でもちょっと狙った味と違っちゃったな。というのが率直な感想です。妻は絶賛してくれましたが、自分はまだ満足できないので、またチャレンジします。
追記:1-2日熟成させ、うま味調味料を少し加えたら癖が緩和されて美味しくなりました。両変化の効果の割合は不明です。