一人飯用に気楽にパエリアを作ったらとてもいい具合に仕上がりました。パエリアの神髄が大分わかってきたので、本章の最後にまとめした。

エリンギ、玉ねぎ、生姜を炒めます。次いで生米を投入し、サラダ油を追加して弱火でじっくり炒めます。

傍らで生トマトに塩と油をして炒め、溶かします。

米のフライパンにトマトソース、炒めた鶏腿肉、サフラン水、塩を加えます。水の分量は米の2.5倍が丁度よいと思います。

小松菜を上に敷きます。よく火が通るように少し水に沈めました。

中火で水がなくなるまで煮ます。水が見えなくなって、フライパンの底からパチパチと爆ぜる音が聞こえてきたら水がなくなった証拠です。

蓋をしてとろ火で10分加熱します。こうすると米が蒸れて芯がなくなります。

10分たったら出来上がりです。

米がきれいに黄色く染まり、おこげも丁度良い具合にできました!米に芯がなくふっくらと炊けていて丁度良いです。味についても素材の味がよくわかって丁度良いです。今までで一番うまくパエリアのコツをとらえて作れたように思います。
パエリアを何度も作ってきて、かなりコツがわかってきました。QA形式でまとめておきます。
1)油はオリーブオイルがいいの?
サラダ油でOK。オリーブオイルを使っても、その香りは加熱で飛んでしまいます。本場でオリーブオイルを使うのは単にオリーブオイルが手に入りやすいからだと思います。
2)油は大量に入れた方がいいの?
大量に入れる必要はない。パエリアは元々はオレンジ農園で働く農家のお昼ご飯に食べられていたようです。肉体労働者にとっては油が沢山必要かもしれませんが、現代の普通の人には沢山は必要ないと思います。
3)本場のパエリアは塩辛いそうですが・・・?
めっちゃ塩辛かったです。肉体労働者のおかずには良いかもしれませんが、普通の人には明らかに過剰です。塩辛すぎると美味しくないので、普通にした方がよいと思います。
4)米は洗った方がいいの?
洗わなくていいです。洗ってもいいですが、大差ないです。そうであれば楽をした方が良いと思います。
5)米は油で炒めた方がいいの?
油で炒めた方がよいです。油で生米を炒めると、米の中の水分が水蒸気となり、米にヒビを入れるはずです。また澱粉はα化して食べやすくなります。炒めると米の中心まで水が入りやすくなるようで、芯が残りにくくなるようです。本場では炒めないようですが、それは農作業の合間に作っていたため、そこまで手間をかけられなかっただけだろうと思います。
6)蓋はしない方がいいの?
本場では蓋をしないようです。恐らくそれは農園まで蓋を持っていくのが面倒だったからだろうと思います。また底が浅い鍋を使うのも、かさばらないので持ち運びが楽だったためだろうと思います。私たちがキッチンで作るなら、上で示したように、最後の蒸らしに使った方が良いと思います。その方が米がふっくらと炊き上がって美味しくなります。
7)米はアルデンテに仕上げた方がいいの?
芯はない方が美味しいです。アルデンテはただの強がりです。多分農園で作る場合はそれで妥協せざるを得なかっただけだろうと思います。
8)具の種類は沢山入れた方がいいの?
そんなに頑張らない方がいいです。色んな種類の具を入れると美味しいですが、料理の焦点がボケます。何を食べさせたい料理なのか(料理のテーマ)がわからなくなってしまいます。むしろ具の種類は少なくして、トマトも控えめにして、素材の味がわかるようにした方が、ぐっとスマートになってかっこよくなります。
具を沢山入れたり、コンソメを使ったりすれば旨味は濃くなりますが、旨味は塩味と違って上限がないので、きりがありません。旨味ばかりを追い求めるのは止めた方がよいです。(自戒)
9)本場の食材をそろえた方がいいの?
そんなことにこだわる必要はないです。本場の人が使っている食材は、たまたまそこで入手しやすかっただけです。日本で作るなら、日本で普通に手に入る食材を使えばよいです。
10)ずばりパエリアという料理を一言でいうと?
旨味のあるスープを米に吸わせて炊き上げた料理。
以上、僕の私観です。参考になったら幸いです。