フライドチキン

ケンタッキーフライドチキンの再現に挑戦しました。ネットの情報と自分の勘を頼りにやってみました。

先ずは調査から。上の写真はお店の本物です。魯山人いわく「そのものの味の本質を知るには飽きるまで食べることだ。」とあります。鋭い言葉です。同じものを何度も食べると、最初は感じなかった嫌なところや、クセがわかるようになってきます。お店に3-4回通い、オリジナルチキンの特徴を分析しました。

個人的にはもうほぼわかりました。オリジナルチキンの最大の特徴は①グルタミン酸ナトリウムです。これが衣に大量に入っています。それから②塩。これも限界まで入っています。そして③胡椒。この3つによりインパクトの強いジャンキーな味の魅力を作り出しています。味付けに関してはここまでで既に8割完成です。

スパイス類として次いで重要なのは④ニンニク、⑤パプリカです。パプリカは色付けです。あの美味しそうな茶色を出すにはパプリカが必要です。ここまでで味付けに関してはもう9割完成です。

11種類のスパイスと謳っていますが、あとはもうおまけみたいなものです。開発者がアメリカ人なので、あまり珍しいスパイスは入っていないと思います。アメリカ人がよく使う一般的なハーブが少しずつ入っているものと思います。

味付け以外に重要なのが調理法。圧力窯でのフライです。圧力をかけることで水の沸点が上昇し、100℃を超える高温の水で肉を煮ることが可能になります。すると①コラーゲン等のタンパク質の加水分解が進み、肉が軟らかくなります。また②水が蒸発しにくいので、パサツキを防げます。そして最も重要なのが③骨の芯まで加熱でき、食中毒を防げることです。外食産業において食中毒の防止は極めて重要です。

以上、オリジナルチキンについての分析でした。さて、やっていきます。

日本では揚げ物が可能な圧力窯が手に入りにくいので、牛乳で煮る方法が主流のようです。牛乳は直接火にかけると泡立ったり焦げたりして厄介なので、袋に入れて湯煎で間接加熱することにしました。

1時間茹で、そのまま冷えるまで放置しました。

鶏肉から沢山の肉汁と脂が出ました。肉汁が出ることは本当は望ましくないです。肉の旨味が減るので。本来の作り方であれば、水分は蒸気として逃げ、旨味成分は肉に残ります。この点で事前に煮る方法は本来の方法に負けています。

肉は軟らかくなりすぎており、崩れてしまいました。1時間は煮すぎでした。30分でよかったです。

汁(脂含む)に卵を加え、混ぜました。卵黄の乳化作用に期待しましたが、全部の脂は乳化しきれませんでした。

スパイス類です。味の素、黒胡椒、ジンジャー、ガーリック、オールスパイス、バジル、オレガノ、パプリカです。

薄力粉にスパイス類と塩を混ぜます。

卵液に肉をくぐらせ、粉をつける作業を2回行いました。肉が軟らかすぎて扱いにくかったです。KFCが骨付きの理由は崩れにくくするためと、骨を抜くコストを減らすためだと思います。

揚げて衣に火を通します。

フライドチキンができました!お店と同じ香りと異なる香りが混じっています。少なくとも部分的には再現に成功したようです。

味は美味しかったですが、再現度としては60点です。もっと思い切ってグルタミン酸ナトリウム、塩、胡椒の3つを沢山入れて、エッジの効いた味にし、ハーブを減らしたら再現度はもっと上がると思います。

ただし、それを本当にしたいかというと微妙ですが。グルタミン酸ナトリウムを大量に入れた最大瞬間風速だけを狙ったすぐに飽きる味を追い求めるよりも、普通に美味しいフライドチキンの方が良いような気がしてきました。

さて、今回は、これを持って運動会に行きます。

可愛らしいバスケットができました!それでは行ってきます!

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