トマトが最盛期を迎えたので、トマト鍋を作ることにしました。トマト鍋を作っている途中で、お店で北海道産の生ビーツを見つけたので、ビーツも入れることにしました。ビーツを入れたことでトマト鍋改めボルシチになりました。

豚のスペアリブと、鶏の手羽元を肉源として使います。骨付き肉は煮込み料理に向いています。その理由は以下にあります。
①骨からダシが出る。正直なところ、同じ重量の肉の方がより濃いダシが出ると思いますが、骨の有効活用にはよいと思います。
②長時間加熱ができる。骨付き肉は火が通りにくいので、炙り焼きとかだと骨に近い部分が生焼けになる恐れがあります。

肉を1時間煮込んだ後、浮いた脂を除去しました。

肉が予想以上に多かったので、半分は後で使うことにしました。

野菜には青梗菜、ブロッコリー、ビーツを使いました。元々の構想は白菜でしたが、白菜は時季外れで高かったので青梗菜に変更しました。

エリンギとマイタケを加えました。

粉砕した生トマトを入れ煮込みます。野菜に火が通ったら、コンソメの素と塩で調味します。

できました!三角形の野菜はビーツです。ビーツの味は大根や蕪に近いです。スープには肉と野菜の旨味がしっかり溶け出ていて、しみじみと美味しいです。身体にしみ渡る美味しさです。
肉を使った煮込み料理の基本ステップをまとめておきます。
①肉に血がついている場合は、血を洗い落とす。肉から出るアクの正体は主に熱で凝集した血です。予め血を洗い落としておけばアクは殆ど出ません。
②肉を1時間水煮する。肉と野菜を同時に煮込み始めると、肉が軟らかくなる頃に野菜が煮崩れてしまいますので、予め肉を煮込んでおきます。
③野菜類を加えて煮る。調味の前に野菜に完全に火を通し、細胞を壊しておく必要があります。野菜が生のうちに調味料を加えると、野菜が軟らかく煮えないことがあります。生の野菜の細胞は水風船みたいなものです。この水風船から塩分の浸透圧で水を吸い出すと細胞がギュっと縮んで固まってしまいます。火の通った野菜の細胞は穴が開いていて外界とツーツーなので、縮んで固まることはありません。
④調味料を加えて少し煮込んだあと、一晩おき味を馴染ませる。調味料を入れて暫くは味がどんどん変化していきます。調味料が素材に染み込み、調味料の味は薄まります。また素材からエキスが出ることでスープにコクが出てきます。急いで味を決めないことが重要です。
⑤再加熱、再調味して味を仕上げる。
以上が基本の5ステップです。基本さえおさえておけば、色んなバリエーションの肉の煮込み料理が作れます。