カスレを作ります。カスレとは白インゲン豆と肉を長時間煮込んだフランス料理です。カスレの発祥は古く、フランスの100年戦争(西暦1337-1453年)の頃だと言われています。疲弊した兵士にありったけの食材を煮込んで振舞ったのがはじまりのようです。
カスレにはインゲン豆を使うのが基本のようですが、インゲン豆はアメリカ大陸原産です。コロンブスのアメリカ大陸到着が1498年ですから、当初のカスレには他の豆が使われていたことでしょう。
またトマトを加えること多いようですが、トマトもアメリカ大陸原産ですから、当初のカスレにはトマトはなかったことになります。

白いんげん豆を買いました。これでいいのかな?えらく高かったです。乾燥200gで800円以上・・・。白いんげん豆は日本人にはあまりなじみのない食材なのでよくわからないです。今回は合計3袋使いました。

水で戻します。

豚のスペアリブに塩を振って1晩おき、塩豚を作ります。塩豚にする必要があるのかは疑問ですが、ありったけの保存食を煮込んだことが発祥なのでそれを踏襲します。

丸1日で豆が戻りました。水からゆで、3回ゆでこぼし(沸騰したら湯を捨てること。あく抜きの手法)ました。袋にそう書いてあったので。

鶏モモ肉をソテーします。焼けたら大振りに切ります。

塩豚を焼きます。スペアリブはコロコロしていて、フライパンの平面には接触しにくいです。なので油を多めに入れ、油を熱媒として焼きます。

焼けました。油はもったいないですが捨てます。

ゆでた豆に肉を投入。この時点でいっぱいになってしまいました。

手狭になったので8Lの寸胴に移しました。

ホールトマト缶とセロリをバーミックスで粉砕します。

安売りで買って、蒸して冷凍しておいた人参を解凍しました。これも粉砕します。

粉砕した野菜にオリーブ油を加えて煮詰めましたが、これは間違いでした。粉砕して泥状になったものを煮詰めるのは危険です。沸騰するマグマのようになって飛び散るからです。細かく切って炒めてから粉砕するのが正解です。今回は蓋をして何とかやりすごしました。蓋は飛沫でビチャビチャになりました。

オムレツ状になるまで煮詰めます。ここで煮詰めることの必要性は検証していませんが、恐らくは野菜の青臭さをなくすためだと思います。とりあえず一般的なレシピにしたがって調理します。

冷凍飴玉ニンニクを投入します。

ウィンナーとベーコンを投入します。炒めて香ばしさを付与してから投入した方が良かったかもしれません。
白ワインを入れ、塩で調味しました。(後で述べますがここで塩を入れたのは失敗でした。)
あとは汁気が少なくなるまで弱火で数時間煮込みます。他の家事をしながら、たまに様子を見たり、かき混ぜたりするだけなので、全く大変なことではありません。

汁気がなくなったらスキレットに盛って魚焼きグリルで焼いて焼き目をつけました。フランス料理ではこのように煮物に焼き目をつけた料理のことをキャセロールと言うそうです。

できました!味は濃厚で旨いです。豆が柔らかくさらっと崩れ、まったりとした食感です。肉も柔らかくほろりと崩れます。これは究極の料理ではないか!と一瞬思った程です。
ただ、ちょっと失敗も。煮込みはじめの時点で丁度良い塩梅に塩をいれてしまったので、煮詰まった完成品はしょっぱくなってしまいました。塩豚やウィンナー、ベーコンを入れるので粉の塩は全く入れないくらいが良かったと思います。ただご飯やパンお供にすれば美味しく食べられる程度ですんで良かったです。
カスレは初めて作りましたが、とても美味しかったです。また作りたいです。次回は塩加減には気を付けたいです。また、今回の白花豆は美味しかったですがかなり高かったので次回はもう少し安価な豆を使おうと思います。
追記:塩辛さ対策として水と牛乳で薄めて、上に溶けるチーズを振ってバーナーで炙った後に混ぜ込んだら大変美味しくなりました。チーズは味をまとめてくれました。焦げたチーズの香りは最高でした。