今回はチリコンカン(チリなし)を作ります。

材料一覧。牛ダシ、デミグラスソース缶、ホールトマト缶、戻したレッドキドニービーンズ(乾燥400g)、オリーブオイル、赤ワイン、人参、合挽き肉600g、玉ねぎ、ジャガイモ、ニンニク
普通ジャガイモと人参はチリコンカンに入れませんが、入れた方が味がしっくりきます。日本式カレーの組み合わせは偉大です。

調味のために追加したもの。塩、ローレル、味の素、白ワイン、ソース、冷凍飴玉ニンニク。
トンカツとか用のソースを入れるとグッと馴染みのある味になります。また味の素をちょっと隠し味程度に入れるとグッと旨味が底上げされて味がまとまります。ラーメンのような旨味の塊のスープを作る際に役立ちます。

そしてプチトマト。途中で味見して物足りなかったので追加。材料は以上。
今回のポイントはレッドキドニービーンズ。チリコンカンによく使われる豆です。ただ、日本ではあまり見かけないので、僕はいつも大豆を使っていました。今回はたまたま見つけたので試してみることにしました。

作ります。食材から可食部を取り出し、細かく切ります。

道具です。

フライパンに油をひき、ニンニクを軽く炒め香りを油に移します。挽肉を投入し、炒めます。

炒めました。香ばしさを出すため、少し焦げ目をつけました。

玉ねぎを炒めます。

炒めました。

ジャガイモを炒めます。切ってから時間が経ってしまいちょっと黒くなってしまいました。ジャガイモは切ったらすぐに火を通した方がよいです。

炒めました。

人参を炒めます。

炒めました。人参は縮むので軽めです。

具の下ごしらえが終わりました。具は種類によってベストなタイミングが異なるので、時間があれば個別炒めがベストです。
カレーやシチュー等は煮込む前に具を炒めるのが一般的です。何故でしょうか?僕が思うに、目的は以下にあると思います。
1)肉を高温で炒めることでメイラード反応を起こし、香ばしさを引き出す。
2) 野菜の青臭さを飛ばし、メイラード反応を起こし、香ばしさを引き出す。
3)野菜を柔らかくする。油による調理では100度を超えます。炒めという調理法は高温になるのでよ茹でよりも短時間でより柔らかくなるようです。
4)具の水分を抜くことで濃厚にする。
5)具を減容することで濃厚にする。

炒めている間に30分程、豆を煮ました。あんこの香りがします。あんこのような物を料理に使う発想が新鮮です。既成概念に穴を開けてくれます。

具材をほぼ全て投入しました。焦げ付かないようにたまに底をゴムベラや竹ベラで剥離しながら煮込みます。
煮物の調味は2度に分けるのが良いです。調味料を入れると浸透圧によって具材から水分が出て味が薄まるからです。なので調味料を入れすぎても、ちょっとならリカバリー可能です。
また具材から出る水分には具材のエキスも含まれているので、味にコクが出ます。一度に味を決めようとするとスープ自体にコクがないので調味料を入れ過ぎる恐れがあります。一度丁度良いくらいに調味したら、暫く放置して、もう一度調味するのがお勧めです。

味見して物足りなかったので、プチトマトと白ワインをミキサーにかけ、フライパンでアルコールを飛ばしてから入れました。写真はフライパンの様子。

完成!と思って食べたら豆が固かった・・・。レッドキドニーは皮が丈夫なんだね。だからチリコンカンに使われるんだ。また一つ勉強になりました。

再加熱して食べて、を2日。豆が柔らかくなり、野菜が煮崩れて自然なとろみがつき、とても良い具合になりました。完成!
味はコクがあって旨いです。飴玉ニンニクが仄かな苦みとコクを与えていて、洋食屋のハヤシライスのような味わいになりました。
チリコンカンは単独でも美味しい具材をどんどん重ねていく料理です。なので完成品は旨味の塊です。また、栄養価の高い具材が山ほど入っているので、完全栄養食品みたいな料理だと思います。チリコンカンとご飯又はパンがあれば食事完成です。忙しい人は作りおきがお勧めです。
僕のイメージではチリコンカンといえばアメリカの乾いた荒野です。アメリカの荒野でダッチオーブンと焚火でチリコンカンを作って野営するのが僕の憧れです。